慢性腎臓病(CKD)とは - メディカル ノート 病院・クリニックおすすめ情報
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慢性腎臓病(CKD)とは

腎臓は、体内の老廃物を排泄し、体液のバランスを保つなど、生命維持に不可欠な役割を担う重要な臓器です。しかし、その機能がゆっくりと低下しても、初期段階では自覚症状がほとんど現れないため、「沈黙の臓器」とも呼ばれています。

慢性腎臓病(CKD:Chronic Kidney Disease)は、この腎臓の働きが慢性的に低下していく様々な腎臓病の総称です。日本の成人のおよそ8人に1人がCKDに該当すると推計されており、新たな国民病として注目されています。

この記事では、慢性腎臓病(CKD)とはどのような病気なのか、その原因、症状、検査方法、そして治療や予防について、腎臓病の予備軍の方や、すでに慢性腎臓病(CKD)と診断された方にも分かりやすく、深く掘り下げて解説していきます。

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慢性腎臓病(CKD)とは

慢性腎臓病(CKD)とは、このような腎臓の働きが数ヶ月以上かけて徐々に低下していく状態を指す、様々な腎臓病の総称です。

日本の成人のおよそ8人に1人が該当すると推計されており、新たな国民病としてその対策が急がれています。

自覚症状がないまま進行し、放置すると末期腎不全に至るリスクもあるため、早期発見と適切な管理が非常に重要となります。

腎臓の重要な働き

慢性腎臓病(CKD)を理解するためには、まず腎臓がどのような働きをしているかを知ることが大切です。腎臓の主な役割は以下の通りです。

慢性腎臓病(CKD)が進行すると、これらの重要な機能が十分に果たせなくなり、体に様々な不調が現れます。

慢性腎臓病(CKD)の定義

慢性腎臓病(CKD)は、腎臓の障害、または腎機能の低下が3ヶ月以上続いている状態と定義されます。

具体的には、以下のどちらか、あるいは両方に当てはまる場合に診断が下されます。

腎障害を示す所見

尿検査でタンパク尿や血尿が認められる、画像検査で腎臓の形に異常が見られるなど、腎臓に何らかの障害が存在する証拠がある場合です。中でもタンパク尿は、腎臓のフィルター機能障害を示す重要なサインとされています。

腎機能の低下

腎臓の血液をろ過する能力を示す指標である「糸球体濾過量(GFR)」が、基準値(60mL/min/1.73m²)未満に低下している場合です。

これらの基準に基づき、たとえ自覚症状がなくても、検査結果によってCKDと判断されることがあります。定期的な検査で腎臓の状態を確認することが重要です。

慢性腎臓病(CKD)の主な原因

慢性腎臓病(CKD)を引き起こす原因は多岐にわたりますが、生活習慣病との関連が深いものが多くを占めます。

主な原因疾患概要
糖尿病性腎症高血糖状態が続くことで、腎臓のフィルター機能を持つ糸球体が障害を受ける。
高血圧性腎症(腎硬化症)高い血圧が長期間続くことで、腎臓の血管が硬くなり(動脈硬化)、機能が低下する。
慢性糸球体腎炎糸球体に慢性的な炎症が起こる様々な疾患の総称(IgA腎症など)。
多発性嚢胞腎(PKD)腎臓に多数の嚢胞(水がたまった袋)ができ、徐々に腎機能が低下する遺伝性の疾患。
その他の原因腎盂腎炎、薬剤性腎障害、膠原病に伴う腎障害、加齢など。

特に、糖尿病高血圧はCKDの二大原因であり、これらの疾患を持つ方は定期的な腎機能チェックが不可欠です。

慢性腎臓病(CKD)の症状:気づきにくい初期症状

慢性腎臓病(CKD)の恐ろしさは、初期段階ではほとんど自覚症状がないことです。腎機能がある程度低下するまで、体調の変化を感じにくい場合が多く、健康診断などで偶然発見されるケースも少なくありません。

病状が進行すると、以下のような症状が現れることがあります。

これらの症状が現れたときには、すでに慢性腎臓病(CKD)がある程度進行している可能性があります。

慢性腎臓病(CKD)の診断と検査

慢性腎臓病(CKD)の診断や重症度の評価には、主に以下の検査が行われます。

検査の種類検査項目目的・わかること
尿検査タンパク尿(アルブミン尿)腎臓のフィルター機能の障害の有無や程度を調べる。CKDの早期発見・重症度判定に非常に重要。
 血尿腎臓や尿路からの出血の有無を調べる。
血液検査血清クレアチニン(Cr)値筋肉で作られる老廃物。腎機能が低下すると血液中に蓄積し、数値が上昇する。筋肉量の影響を受ける。
 eGFR(推算糸球体濾過量)血清クレアチニン値、年齢、性別から計算される腎機能の指標。数値が低いほど腎機能が低下していることを示す。(下記参照)
 BUN(尿素窒素)タンパク質の代謝産物。腎機能低下で上昇するが、食事内容などにも影響される。
 カリウム、ナトリウム、リン、カルシウム電解質バランスの異常を調べる。
 ヘモグロビン貧血の有無を調べる。
画像検査腹部超音波(エコー)検査腎臓の大きさや形、嚢胞や結石の有無などを調べる。
 CT検査、MRI検査より詳細な腎臓の形態評価が必要な場合に行われる。
腎生検 腎臓の組織の一部を採取し、顕微鏡で詳しく調べる検査。CKDの原因診断(特に慢性糸球体腎炎など)のために行われることがある。

eGFR(推算糸球体濾過量)について

eGFRは、現在の腎機能を知る上で非常に重要な指標です。健康な人のGFRは100mL/min/1.73m²前後ですが、年齢とともに自然に低下していきます。慢性腎臓病(CKD)の定義では、eGFR 60未満が持続する場合、腎機能低下と判断されます。健康診断の結果などでeGFRの値を確認することが、自身の腎臓の状態を知る第一歩となります。

慢性腎臓病(CKD)のステージ分類(重症度)

慢性腎臓病(CKD)の重症度は、腎機能を示すGFRの値によるステージ(G1~G5)と、腎障害の程度を示す尿中アルブミン値またはタンパク尿による病期分類(A1~A3)を組み合わせて評価されます。これにより、現在の腎臓の状態だけでなく、将来的な腎機能低下のリスクや心血管疾患のリスクをより正確に把握することができます。

【GFRによるステージ分類】

ステージGFR (mL/min/1.73m²)腎機能の状態
G190以上正常または高値
G260~89軽度低下
G3a45~59軽度~中等度低下
G3b30~44中等度~高度低下
G415~29高度低下
G515未満末期腎不全 (ESKD)

【尿中アルブミン・タンパク尿による病期分類】

病期分類尿中アルブミン値 (mg/gCr) または 尿蛋白量 (g/gCr)
A130未満
A230~299
A3300以上

例えば、GFRが50mL/min/1.73m²(G3a)で、尿中アルブミン値が150mg/gCr(A2)の場合、「G3aA2」と分類され、これに基づいて治療方針や管理目標が設定されます。一般的に、GFRが低いほど、またタンパク尿が多いほど、腎機能低下の進行リスクや心血管疾患のリスクは高くなります。

慢性腎臓病(CKD)の進行と合併症

慢性腎臓病(CKD)は進行性の病気であり、適切な治療や管理を行わないと、腎機能は徐々に低下し、最終的には末期腎不全(ESKD)に至る可能性があります。末期腎不全になると、自身の腎臓だけでは生命を維持できなくなり、透析療法や腎移植が必要となります。

また、慢性腎臓病(CKD)は腎臓だけの問題にとどまらず、全身に様々な合併症を引き起こします。

これらの合併症を早期に発見し、適切に管理することもCKD治療の重要な目標です。

慢性腎臓病(CKD)の治療と管理

慢性腎臓病(CKD)の治療目標は、腎機能の低下速度をできるだけ遅らせ、合併症を予防・管理し、生活の質(QOL)を維持することです。根本的な治療法がない場合も多いですが、適切な管理により進行を抑制することは可能です。

治療の基本は、慢性腎臓病(CKD)の原因となっている疾患(糖尿病、高血圧など)の治療と、腎臓への負担を軽減するための生活習慣の改善、そして進行度に応じた薬物療法です。

治療方針は、慢性腎臓病(CKD)のステージ、原因疾患、合併症の有無、年齢、全身状態などを考慮して個別に決定されます。定期的な通院と検査により、治療効果を確認し、必要に応じて方針を見直していくことが重要です。

早期発見・早期治療の重要性

慢性腎臓病(CKD)は、初期には自覚症状がほとんどないため、気づかないうちに進行しやすい病気です。しかし、早期に発見し、適切な治療や生活習慣の改善を開始すれば、腎機能の低下速度を遅らせ、末期腎不全への進行や心血管疾患の発症リスクを大幅に減らすことが可能です。

特に、糖尿病、高血圧、肥満、脂質異常症、家族に腎臓病の方がいる、高齢である、といったリスク因子を持つ方は、症状がなくても定期的に健康診断を受け、尿検査(タンパク尿)と血液検査(血清クレアチニン値・eGFR)を確認することが極めて重要です。

まとめ

慢性腎臓病(CKD)は、自覚症状がないまま進行することが多い、身近でありながら注意が必要な病気です。しかし、その一方で、早期発見と適切な管理によって、進行を遅らせることができる病気でもあります。

腎臓の健康を維持するためには、まずCKDについて正しく理解し、自身の腎臓の状態に関心を持つことが大切です。定期的な健康診断を欠かさず受け、リスク因子となる生活習慣病の予防・管理に努めましょう。

もし、健康診断などで腎機能の異常(タンパク尿、eGFR低下など)を指摘された場合や、むくみなどの気になる症状がある場合は、決して放置せず、かかりつけ医や腎臓専門医に相談してみましょう。早期からの適切な対応が、将来の腎臓と全身の健康を守る鍵となります。

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