
慢性腎臓病(CKD)は、軽度の段階では自覚症状が少ない一方、ステージ3~5に進行すると体液過剰や高カリウム血症、高血圧、心不全、貧血、骨の障害など多岐にわたる合併症を引き起こしやすくなります。
それぞれの合併症は重症化すると生活の質を大きく損ね、心肺機能への負担や骨折リスクの上昇など深刻な影響を及ぼすことも。
本記事では、主な合併症の原因や症状のほか、早期発見・対策のポイントをわかりやすく解説します。
慢性腎臓病(CKD)の合併症を理解し、適切な治療や生活習慣の見直しを行うことで、進行を抑え生活の質を維持するよう心がけましょう。
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慢性腎臓病(CKD)は、腎臓の機能が長期的に低下していく病気です。
特にステージ(GFR区分)3~5の段階では、腎機能障害に伴って多様な合併症が現れやすくなります。
腎機能が低下すると、体内の老廃物や水分・電解質の排泄が十分に行えなくなるため、さまざまな症状やリスクが高まることが特徴です。
ここでは主な合併症について、原因や症状を含めて深堀りして紹介します。
CKDのステージは推算糸球体濾過量(GFR)の数値を目安に分類されます。一般的にステージ3以上になると、腎機能障害がさらに進行しやすくなり、合併症が徐々に増えていきます。下記の表はステージと推算GFRの目安です。
| ステージ | 推算GFR(mL/分/1.73m²) | 主な状態 |
|---|---|---|
| 1 | ≧90(正常~軽度) | 目立った症状はないが、腎障害を示す所見がある場合がある |
| 2 | 60~89 | 軽度の腎機能低下 |
| 3 | 30~59 | 中等度の腎機能低下(合併症が出始める可能性あり) |
| 4 | 15~29 | 高度の腎機能低下(合併症リスクが高い) |
| 5 | <15 | 末期腎不全(腎代替療法が必要になることが多い) |
ステージが進行すると、多尿やむくみ、高カリウム血症などの症状が目立ちはじめ、重症化すると心不全や肺水腫などの深刻な状態へと至るケースがあります。定期的な検査と早めの治療対策によって、合併症のリスクを減らすことが大切です。

以下の表に、主な合併症とその概要を示します。
| 合併症名 | 主な原因・背景 | 代表的な症状・ポイント |
|---|---|---|
| 体液過剰・高カリウム血症 | ナトリウムやカリウムの排泄低下 | むくみ、高血圧、手足のしびれ、不整脈など |
| 高血圧 | 水分・塩分の排泄障害 | 血圧上昇、頭痛、動悸など |
| 心不全・肺水腫 | 過剰な水分が心臓・肺に負担をかける | 息切れ、むくみ、呼吸困難、咳など |
| 尿濃縮力障害 | 腎臓の尿濃縮機能低下 | 多尿、夜間頻尿など |
| 高窒素血症 | 老廃物の排泄不足(BUN/Cr比の上昇) | 食欲不振、悪心、吐き気など |
| 代謝性アシドーシス | 血液が酸性に傾く(酸排泄の低下) | ほぼ無症状だが、高カリウム血症を助長する場合がある |
| 貧血 | 腎臓で作られるエリスロポエチン(造血ホルモン)の減少 | 動悸、息切れ、めまいなど |
| 二次性副甲状腺機能亢進 | ビタミンD活性化障害によるカルシウム吸収低下、リン排泄障害など | 骨の脆化、骨痛、骨折リスク上昇など |
ここからは、各合併症の詳細を個別に解説します。
腎臓の機能が低下すると、ナトリウム(塩分)や水分を十分に排泄できなくなり、体内に余分な水分が滞留しやすくなります。これにより、むくみ(浮腫)や高血圧などの症状が起こりやすくなります。進行すると心臓や肺に大きな負担をかけ、心不全や肺水腫につながる危険性が高まります。
同時にカリウムの排泄能力も下がるため、高カリウム血症を引き起こしやすくなります。手足や口のしびれ、不整脈、脱力などが生じるのが特徴で、重症化すると心停止を招く恐れもあるため注意が必要です。血液検査によって早期に発見することが望まれます。
腎臓の機能が低下すると水分や塩分の排泄がスムーズに行えず、血管内の循環血液量が増加しやすくなります。その結果、血管にかかる圧力(血圧)が上昇し、高血圧のリスクが高くなります。高血圧は、脳卒中や心血管疾患のリスクをさらに高める要因です。塩分制限や適切な降圧薬の使用を考慮しながら、合併症の進行を抑える方法があります。
体液が過剰になると、心臓に戻ってくる血液量も増え、心臓への負荷が大きくなります。心臓が血液を送り出す能力に限界を迎えると、心不全の状態になりやすくなります。心不全では、動悸、息切れ、倦怠感などが見られ、生活の質を大きく低下させる原因になります。
さらに症状が進むと、肺の血管にも過剰な水分が溜まり、肺水腫となる場合があります。呼吸困難や咳、胸の圧迫感が出現し、横になると息苦しさが増すのが特徴です。いずれも重症化すると生命にかかわるため、定期的な心機能のチェックや早めの治療が欠かせません。
慢性腎臓病では、腎臓が尿を濃縮する力が落ちるため、早期の段階から多尿や夜間尿が出現することがあります。夜間に何度もトイレに起きるために睡眠不足となり、生活リズムの乱れを生じるケースがあります。これはCKD特有の初期症状の一つでもあるので、日頃から尿量や夜間の排尿回数の変化を意識しておくと早期発見につながります。
腎機能が低下すると、尿素窒素(BUN)やクレアチニンなどの老廃物が血液中に蓄積しやすくなります。とくにBUNが高くなるとBUN/Cr比が上昇することが知られ、糸球体にさらに負担がかかる「糸球体過剰ろ過」の状態を生じる場合があります。ステージ5までは無症状であることが多いですが、重度になると食欲不振や悪心などの消化器症状が見られます。腎臓の状態を把握するためにも、定期的な血液検査が不可欠です。
腎臓は体内の酸・塩基バランスを調節する働きがあります。機能が下がると、体内で生じた酸を排泄しにくくなり、血液が酸性に傾いてしまう「代謝性アシドーシス」が起こりやすくなります。自覚症状は少ないものの、高カリウム血症を助長する側面があり、合併症を深刻化させる場合があります。
腎臓は、赤血球の産生を促すエリスロポエチン(造血ホルモン)を分泌する臓器でもあります。腎機能の低下とともにエリスロポエチンの分泌が減少し、赤血球が十分に作られなくなることで貧血が起こりやすくなります。動悸や息切れ、めまいなどが代表的な症状です。血液検査でヘモグロビン値やヘマトクリット値を定期的にチェックすることが推奨されます。
腎臓が十分に機能しないと、ビタミンDの活性化が障害され、カルシウムの吸収が不十分になります。同時にリンの排泄能力も低下するため、高リン血症を引き起こすことがあります。血液中のカルシウム濃度が下がる一方でリンが高くなるため、副甲状腺が過剰に働き、副甲状腺ホルモン(PTH)が多量に分泌される「二次性副甲状腺機能亢進」が生じます。
PTHが増加すると、骨からカルシウムを溶出させるため、骨が弱くなり骨折リスクが高まります。特に慢性期には骨に関わる症状が出にくい場合もありますが、検査や画像診断で骨の変化が見られることがあります。カルシウム・リンバランスを整える薬剤や食事療法によって進行を抑制することが可能です。
慢性腎臓病(CKD)のステージ3~5では腎機能の低下に伴い、体液過剰・高カリウム血症、高血圧、心不全、尿濃縮力障害、高窒素血症など、多岐にわたる合併症が生じやすくなります。
自覚症状が乏しい段階から定期的な血液検査や食事療法を続けることで、進行を抑え合併症のリスクを減らすことが重要です。
特に心不全や貧血、二次性副甲状腺機能亢進は重症化しやすいため、早期発見・管理が欠かせません。
定期的な専門医の診察とライフスタイルの見直しによって、合併症のリスクを下げることが期待されます。適切な治療と日々のケアは不可欠です。