
腎臓病は進行性の病気であり、重症化すると就労に大きな影響を及ぼすことがあります。治療費や生活費の心配から精神的な負担が増えることも珍しくありません。こうした状況を支えるのが社会保障や福祉制度です。本記事では、腎臓病患者が安心して治療を続けながら暮らすために役立つ支援制度について詳しく解説します。
本ページではプロモーションが含まれます
当サイトでは商品やサービス(以下、商品等)の掲載にあたり、 ページタイトルに規定された条件に合致することを前提として、当社編集部の責任において商品等を選定しおすすめアイテムとして紹介しています。同一ページ内に掲載される各商品等は、費用や内容量、使いやすさ等、異なる観点から評価しており、ページタイトル上で「ランキング」であることを明示している場合を除き、掲載の順番は各商品間のランク付けや優劣評価を表現するものではありません。 なお当サイトではユーザーのみなさまに無料コンテンツを提供する目的で、Amazonアソシエイト他、複数のアフィリエイト・プログラムに参加し、商品等の紹介を通じた手数料の支払いを受けています。掲載の順番には商品等の提供会社やECサイトにより支払われる報酬も考慮されています。...


病気やケガが原因で働けなくなり、給与が支払われない状態になったときに利用できるのが、健康保険の傷病手当金です。被用者保険(協会けんぽや健康保険組合など)に加入している人が対象となります。腎臓病によって長期の休職が必要になった場合にも、医師の就労不能の証明があれば適用を受けられる可能性があります。
支給要件
支給期間
最長1年6ヶ月。途中で職場復帰しても、同一の負傷や疾病による休業が通算される場合があります。
支給額
休業1日につき、直近12ヶ月の標準報酬日額の約3分の2が目安です。
会社員として働いていた場合は、まず勤務先に申請方法を確認するのが一般的です。退職後でも、在職中に傷病手当金の受給を開始していれば、一定の要件を満たすことで継続して支給される場合があります。

腎臓病を理由に退職せざるを得なくなった場合や、すぐに求職活動ができない場合でも、雇用保険の給付を利用できる可能性があります。主に「基本手当(失業保険)」と「雇用保険の傷病手当」の2種類です。
基本手当(失業保険)
一般的な失業保険で、離職後に就職活動を行う意思と能力がある人が対象です。勤続年数や離職理由、年齢などにより支給期間は異なります。退職の理由が病気でも、ハローワークが求職の意思や可能性を認めれば給付されます。
雇用保険の傷病手当
失業保険を受給中に病気で30日以上連続して求職活動ができなくなるときに支給される制度です。医師の診断書提出が必須で、支給額は基本手当と同等になります。

病気や障害で就労が困難になった場合に収入を補填する役割を担うのが障害年金です。国民年金または厚生年金に加入していた期間中の傷病で、かつ保険料納付要件を満たしているかどうかが重要になります。腎臓病の場合、透析導入が必要な状態で原則2級に該当することが多いとされます。
| 区分 | 対象者 | 年金額の目安 |
|---|---|---|
| 障害基礎年金 | 国民年金のみ加入 | 年額78万~97万円程度 |
| 障害厚生年金 | 厚生年金加入(会社員等) | 基礎年金+報酬比例分加算 |
初診日の確定
腎臓病の原因となる初診日がどの年金制度に加入していた時期かを確認します。
診断書の取得
腎臓専門の所定様式を用いて、透析頻度などを記載した診断書を主治医に作成してもらいます。
書類の提出
年金事務所で必要書類を受け取り、審査に回してもらいます。結果通知には3~4ヶ月を要するのが一般的です。
障害年金と傷病手当金を同時に受け取る場合、金額が調整されることもあるため、事前に組織や機関に問い合わせると安心です。

腎臓病が進行して十分な収入を得られず、他の制度でもまかなえない場合、最後のセーフティネットとして生活保護の利用を検討することができます。資産状況や扶養可能な親族の有無など多角的に審査されるため、申請が認められるには一定の条件をクリアしなければなりません。とはいえ、重い腎臓病で働けない状況は深刻なため、困窮する前に福祉事務所へ相談をすることが重要です。
生活保護の申請にあたり、まず収入や預貯金、保有する不動産や自動車などの資産が確認されます。親族から援助が受けられない場合であって、障害年金や傷病手当金など他の社会保障制度を利用してもなお生活が難しいと判断されるときに、初めて生活保護が支給されます。
心理的ハードルがあるかもしれませんが、国が用意した正当な制度です。長期の治療が必要な腎臓病の場合、困窮する前に早めに福祉事務所へ相談をおすすめします。

身体障害者手帳を取得している人を対象に、医療費の自己負担を軽減する制度が自立支援医療(更生医療)です。腎臓機能障害で人工透析が必要な人や、腎移植後に免疫抑制剤を継続している人は、とくに負担額が大きくなりやすいため、この制度を活用することで自己負担を1割に抑えられます。

腎臓病の症状が進行し、透析治療を受けているケースでは1級に認定されることが多いといわれています。手帳を取得することで、自立支援医療や自治体独自の医療費助成制度、公共料金の割引、税制優遇などさまざまなメリットが得られます。

腎臓病治療は長期間にわたり、高額な費用がかさみやすい面があります。少しでも負担を軽減するために、医療費控除や高額療養費制度を活用することが大切です。

腎臓病患者が複数の制度を利用する際、支給が重複したり調整されたりするケースがあります。制度の選択や優先順位を誤ると支給額が減ったり、申請もれが起きる場合があるため、以下の代表的な疑問点を押さえておきましょう。
傷病手当金と障害年金の同時受給は可能か?
同一傷病での給付でも原則併給できる場合がありますが、調整されるケースがあるので年金事務所や健康保険組合に確認が必要です。
生活保護と障害年金を同時に利用したい
生活保護は他の収入を控除したうえで不足分を補う制度なので、障害年金分は収入として計算され、保護費が減額される形となります。
退職後でも傷病手当金を受給できる?
在職中に手当金の支給が始まっていれば、一定期間退職後も継続して受給できる可能性があります。ただし健康保険の被保険者であることなど、要件を満たす必要があります。
自立支援医療と高額療養費制度の併用
自立支援医療で1割負担になっていても、月額上限を超えたら高額療養費制度を併用できます。ただし計算が複雑になるため医療機関や保険者への確認が必須です。
医療費控除の対象にならないケース
美容目的の施術や予防接種、差額ベッド代などは基本的に控除の対象外です。事前に税務署のガイドや国税庁サイトを確認しておくと安心です。
身体障害者手帳の診断書費用は自己負担?
医療保険適用外となるため、診断書作成費は自己負担です。数千円~1万円程度が一般的ですが、手帳取得後のメリットを考慮すると十分に元が取れる場合が多いでしょう。
自治体独自の助成制度がある?
交通費補助や特別手当など、自治体ごとに制度が異なります。該当しそうな場合は福祉窓口やソーシャルワーカーに早めに相談すると申請漏れを防げます。
制度切り替えのタイミングでトラブル
透析から移植へ移行する、就労形態が変わるなど、ライフイベントに合わせて利用できる制度も変化します。適切な手続きを踏まないと、一時的に医療費を高額負担するはめになる場合もあるので要注意です。
腎臓病で仕事ができなくなる事態に備え、傷病手当金や障害年金、雇用保険、生活保護などの公的制度を知っておくことは非常に重要です。身体障害者手帳を取得し、自立支援医療や自治体独自の助成制度を組み合わせることで、大きな経済的負担を減らしながら治療に集中できる環境を作ることができます。
どの制度も申請しなければ利用できない仕組みのため、早めの準備と情報収集が欠かせません。病院に配置されているソーシャルワーカーや、自治体の福祉担当課、専門家に相談しながら、利用できる制度を最大限に活用して、不安の少ない治療生活を送れるようにしていきましょう。