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尿蛋白の数値と変化について

尿タンパク(尿蛋白)の測定は、腎機能の評価において重要な指標です。

尿タンパクの正確な測定は、腎疾患の診断、予後推定、そして透析患者の増加を阻止するために必要不可欠となります。

本記事では、尿タンパクの測定方法、評価基準、およびその臨床的意義について解説します。

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尿蛋白測定の基本

尿蛋白定性試験

尿蛋白定性試験は、すべての患者、健康診断、定期検診受診者に対するスクリーニングテストとして実施されます。最も推奨される方法は試験紙法です。

試験紙法の特徴と注意点

試験紙法は指示薬の蛋白誤差を利用したものであり、主にアルブミンを検出します。各メーカーにより表示値が異なるため、結果の解釈には注意が必要です。

試験紙名社 名±1+2+3+4+
ウリエーステルモ15301002501000
ウリピースS藤沢薬品15301003001000
ウロペーパー栄研化学10~20301003001000
エームス(目視)バイエルメディカル15301003001000
オーションシリーズ京都第一科学15301003001000

※表中の数値は蛋白濃度(mg/dl)を示す

試験紙法による判定はあくまで定性的なもので、定量的な意義を持たせてはなりません。また、試験紙による検査の判定法には以下の3種類があります:

  1. 切り上げ法:発色した下界を濃度の高いほうに読む
  2. 近似選択法:発色したところに最も近い濃度に読む
  3. 切り捨て法:発色した上界を濃度の低いほうに読む

目視法と機器法があり、機器法は多数の検体を高速で処理し、個人の色覚の差を除去することが目的です。

スルホサリチル酸法

スルホサリチル酸法は、試験紙法で(±)の場合や、異常発色、発色むらのあるもの、腎・泌尿器系疾患の症状がある患者、二次性に腎障害を生じる可能性のある疾患患者に推奨されます。本法の第一の意義は、スルホサリチル酸法陰性は尿蛋白陰性を意味することです(糖尿病性腎症初期の微量アルブミン尿を除く)。

尿蛋白定量法

目的

尿蛋白陽性患者の1日尿蛋白排泄量を測定して腎疾患を診断し、予後を推定します。また、尿蛋白喪失量より蛋白代謝とこれにつづいて生じる代謝異常を予測します。

測定物質

  1. 総蛋白
  2. アルブミンをはじめとする各種の血清蛋白成分

測定法と注意点

総蛋白定量

現実に総蛋白濃度を測定していると考えられるものは色素比色法によるPyrogallol Red(PR)法です。これに次ぐものがCoomassie Brilliant Blue(CBB)法です。

以下の表は各種尿蛋白定量法の正確度の評価を示しています:

測定方法検量物質平均値(mg/dl)正確度(標準法からの偏り)(%)
Kingsbury-Clark法ヒト血清アルブミン220.0128.8
Coomassie Brilliant Blue法ヒト血清アルブミン100.06.5
Pyrogarol Red法ヒト血清アルブミン95.98.4
HPLC法評定値NIST SRM88.2-

注:表中の「正確度」は標準法からの偏りを示す

比濁法(Kingsbury-Clark法、TCA法、トリクロロ酢酸法)はいずれも正確度が低く、変動係数(CV)が大きいため、あまり推奨されません。

尿中蛋白の成分と意義

尿中の蛋白には様々な成分があり、それぞれネフロンの異なる障害部位を反映します。

成分測定の意義
アルブミン糸球体マーカー(選択的)
IgG糸球体マーカー(非選択的)
トランスフェリン糸球体・尿細管マーカー
α₁-ミクログロブリン尿細管マーカー
レチノール結合蛋白尿細管マーカー
α₂-マクログロブリン出血・糸球体マーカー
κ・λ鎖抗原BJPマーカー

注:従来用いられたβ₂-ミクログロブリンは酸性下で不安定なため現在は用いません。

注意点

β₂-ミクログロブリン(β₂M)は尿pH 5.5であると4°C、24時間で40%分解されます。また血中濃度も加齢、癌などで上昇するため、小児、高齢者に用いることは適当ではありません。尿中安定度の高いα₁-ミクログロブリン(α₁M)の使用が望まれます。

トランスフェリン(Tf)は、糸球体基底膜の選択性(selectivity)の指標としてのTf/IgG比測定に用いられています。初期糖尿病性腎症で検出されますが、アルブミンとほぼ同じ動態です。

α₂-マクログロブリン(α₂M)は尿中に排泄が増加した時は腎後性出血のマーカーとなります。

N-アセチルβ-D-グルコサミニダーゼ(NAG)は主として近位・遠位・集合尿細管のリソソームに局在する酵素です。酸性尿で安定でA、Bのアイソザイムがあり、B型の出現が尿細管障害の指標です。

蓄尿法

1日尿蛋白排泄量を測定するためには、患者が蓄尿をする必要があります。蓄尿は尿蛋白量だけではなく水分代謝としての尿量、1日尿中Na、K、無機リンなどの排泄量、尿素窒素からの蛋白摂取量計算(Maroniの式)、内因性クレアチニンクリアランス測定に必須です。

患者への指示

当日の定刻(例えば午前8時)に完全排尿し捨てさせ、以後、尿意があるごとに採尿コップにとり、蓄尿器に蓄尿する。翌日の前日と同じ時刻に完全採尿し、蓄尿器に蓄尿する。

女性の月経中および前後3日は蓄尿を避ける。

カテーテル挿入患者では膀胱に残尿がないよう恥骨上部を何回も圧迫する。

おむつを当てている乳幼児、常時失禁者には蓄尿は不可能である。随時尿蛋白濃度より推定するほかはない。

蓄尿器

ユリンメーターCR:最近広く使用されるもので外来患者にも用いられる。コックの開閉を正確にしないと誤差を生じる。

蓄尿バッグ:カテーテル挿入患者、場合によっては自然排尿可能の患者にも用いられている。メスシリンダーで測定し直すべきである。

自動採尿器:最近、病棟に普及しつつある。尿量測定誤差は平均±2%以内であるが、1回排尿量が少ない時は偽正誤差となり、Cr濃度は偽低値となる。

蓄尿器の保管・保存

現在、使用可能な理想的な防腐剤はありません。室温下の24時間保管で大腸菌10⁵/ml含有尿では、尿素窒素、糖濃度が低下します。Cr濃度も低下するとの報告もあります。Na、K濃度は不変です。2~8°Cでの暗所保管が最も勧められます。

まとめ

尿蛋白測定は、腎疾患の診断と管理において重要な役割を果たします。測定方法の選択とその解釈には注意が必要です。定性検査では試験紙法が最も一般的ですが、定量的な評価のためには色素比色法が推奨されます。また、尿中の各種蛋白成分を測定することで、腎臓のどの部位が障害されているかを特定することが可能になります。

正確な尿蛋白測定のためには、適切な蓄尿法と検体保存が重要です。臨床医と検査技師の密接な連携によって、信頼性の高い尿蛋白測定結果が得られ、それによって適切な治療方針の決定が可能になります。

引用:日本腎臓学会「腎機能・尿蛋白測定委員会報告書

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